「実家を相続したものの、維持費がどのくらいかかるかわからない」
相続した実家を売るべきか、持ち続けるべきかを決めるためには、維持コストと売却のメリット・デメリットを比較することが必要です。
この記事では、固定資産税・維持費・売却時の税制優遇をセットで解説します。
相続した実家にかかる維持費の全体像
| 費用の種類 | 目安(年間) |
|———–|———–|
| 固定資産税・都市計画税 | 10〜20万円(立地・広さによる) |
| 火災保険・地震保険 | 5〜15万円 |
| 管理・維持費用(掃除・草刈り等) | 5〜15万円 |
| 修繕積立(想定) | 5〜20万円 |
| 合計 | 25〜70万円/年 |
何もしなくても、年間25〜70万円程度がかかり続けます。
固定資産税の仕組み
固定資産税は、土地・建物の「課税標準額」に対して1.4%が課されます(標準税率)。
住宅用地の特例
住宅が建っている土地には「住宅用地の特例」があり、固定資産税が大幅に軽減されています。
| 区分 | 軽減割合 |
|——|———|
| 小規模住宅用地(200㎡以下) | 課税標準を1/6に軽減 |
| 一般住宅用地(200㎡超の部分) | 課税標準を1/3に軽減 |
これにより、建物が建っている土地の固定資産税は、更地に比べて大幅に低くなっています。
空き家になると特例が外れることがある
「特定空家」や「管理不全空家」に指定されると、この住宅用地の特例が適用されなくなります。
結果として、固定資産税が最大6倍程度になる可能性があります(2024年改正法による)。
相続登記の義務化(2024年4月〜)
2024年4月1日から、相続した不動産の登記が法的に義務化されました。
- 相続を知った日から3年以内に登記しないと「10万円以下の過料」
- 過去の相続分も対象(2027年3月末まで猶予あり)
「とりあえず名義はそのまま」という状況は、法律上問題になってきています。
相続した実家がある場合は、早めに司法書士に相談してください。
売却した場合の税制優遇
相続した実家を売却するときに使える税制優遇があります。
3,000万円特別控除(空き家特例)
相続した空き家を売却する場合、一定の要件を満たすと譲渡所得から3,000万円が控除されます。
主な要件は以下のとおりです。
- 昭和56年5月31日以前に建築された家屋(旧耐震基準)
- 相続開始直前まで被相続人が居住していた
- 相続開始から3年後の年末までに売却すること
- 売却金額が1億円以下
この特例を使えるかどうかで、税負担が大きく変わります。
売却を考えている方は、税理士に早めに確認してください。
相続税の取得費加算
相続した不動産を相続税の申告期限から3年以内に売却した場合、相続税の一部を取得費に加算できる特例もあります。
「持ち続ける」vs「売却する」の判断基準
| 判断ポイント | 持ち続ける場合 | 売却する場合 |
|————|————-|————|
| 将来的な活用予定 | 将来戻る可能性がある | 活用予定がない |
| 維持費の負担感 | 経済的に問題ない | 負担が大きい |
| 管理できるか | 近隣に管理できる人がいる | 遠方で管理が難しい |
| 築年数・老朽化 | 比較的新しい | 老朽化が著しい |
| 相続人間の合意 | 全員が保有に賛成 | 売却を希望する相続人がいる |
「持ち続けることにロマンがある」という感情は大切です。
ただし、年間数十万円の維持費を何年も払い続けながら放置することは、経済的にも合理的でない場合があります。
迷ったら不動産会社へ査定依頼を
「売ったらいくらになるか」を知ることが、判断の第一歩です。
無料査定を依頼するだけで「売る・持つ」の基準が具体的になります。
複数社に査定を依頼して比較することで、適正な相場感がつかめます。
まとめ
相続した実家は、年間25〜70万円の維持コストがかかり続けます。
固定資産税の仕組み・特例の要件・売却時の税制優遇を知ったうえで、家族全員で「どうするか」を話し合うことが大切です。
迷ったらまず不動産会社への査定依頼と、税理士・司法書士への相談から始めてください。


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