仏壇の処分費用を調べていると、「粗大ごみに出せば1,000円から3,000円ほど」という記述をよく見かけます。ところが、その数字がどこから来たのかを書いている記事はほとんど見当たりません。
そこで2026年7月25日に、主要17自治体の粗大ごみ処理手数料のページを一つずつ開いて確かめました。結果は少し意外なものでした。
「仏壇」という品目で金額を公表していたのは、17のうち6自治体だけです。
調査でわかった3つのこと
- 金額を公表していたのは17自治体中6つ。残る11は品目一覧に「仏壇」が載っていません
- 公表している6自治体でも、最安400円から最高3,200円まで8倍の開きがありました
- サイズの測り方そのものが自治体ごとに違います。同じ仏壇でも区分が変わります
つまり「仏壇の粗大ごみ代はいくら」という問いに、全国共通の答えはありません。この記事は相場を示すものではなく、調べ方を示すものだと思って読んでいただければと思います。
調査の方法
各自治体の公式サイトにある粗大ごみ処理手数料のページを開き、品目一覧のなかに「仏壇」という品目名と金額が明記されているかどうかだけを見ました。まとめサイトや回収業者のサイトに書かれた金額は使っていません。
調査したのは2026年7月25日でした。手数料は改定されることがあるので、実際に申し込む前には出典のページで最新の金額をご確認ください。
金額を公表していた6自治体
まず、公式サイトに「仏壇」の金額がはっきり書かれていた自治体です。
| 自治体 | 料金の決まり方 | 手数料 |
|---|---|---|
| 渋谷区 | 幅と高さの合計 | 135cm以下 400円 / 180cm以下 900円 / 270cm以下 1,300円 / 360cm未満 2,300円 / 360cm以上 3,200円 |
| 千葉市 | 高さと幅 | いずれも90cm以下 780円 / どちらかが90cm超 1,560円 |
| 堺市 | 最大辺 | 1m未満 800円 / 1m以上 2,000円 |
| 相模原市 | 最大辺 | 1m未満 800円 / 1m以上 1,600円 |
| 大阪市 | 区分なし | 一律 1,000円 |
| 名古屋市 | 区分なし | 一律 1,000円 |
出典は以下のとおり。
- 渋谷区「粗大ごみ品目手数料一覧」 https://www.city.shibuya.tokyo.jp/kurashi/gomi/kateigomi/sibuyaku_sodaitesuuryou.html
- 千葉市「粗大ごみ処理手数料一覧」 https://www.city.chiba.jp/kankyo/junkan/shushugyomu/sodaigomitesuryo.html
- 堺市「粗大ごみ処理手数料一覧表」 https://www.city.sakai.lg.jp/kurashi/gomi/gomi_recy/bunbetsu/shigen/sodaigomi/tesuryoichiran.html
- 相模原市「粗大ごみ一覧」 https://gomi.city.sagamihara.kanagawa.jp/contents/class/sodai_list.php
- 大阪市「粗大ごみ処理手数料一覧表」 https://www.city.osaka.lg.jp/kankyo/page/0000384507.html
- 名古屋市「粗大ごみ手数料のめやす」 https://www.city.nagoya.jp/kurashi/gomi/1012183/1035058/1012184/1012185.html
料金の決まり方は大きく3タイプ
並べてみると、金額そのものより「決まり方」の違いのほうが目を引きます。
大阪市と名古屋市はサイズを問わず一律1,000円です。小さな上置き型でも、床置きの大きな仏壇でも同じ金額になります。
千葉市・堺市・相模原市は2区分。ある寸法を境に、金額が2倍前後に跳ね上がる方式でした。
渋谷区だけが5段階です。しかも幅と高さを足した数字で判定するので、他の自治体の感覚で測ると区分を読み違えます。
同じ「1m以上」でも金額が違う
堺市と相模原市は、どちらも最大辺1mを境にする点まで同じでした。それでも上の区分は堺市が2,000円、相模原市が1,600円です。制度の形が似ていても金額はそろいません。
「仏壇」という品目が載っていない自治体のほうが多い
ここからが今回いちばん意外だった部分です。調べた17のうち11の自治体では、公式の品目一覧に「仏壇」という項目自体がありませんでした。
| 自治体 | 粗大ごみの料金体系 | 仏壇の記載 |
|---|---|---|
| 札幌市 | 200円・500円・900円・1,800円の4区分 | 品目一覧になし |
| 横浜市 | 公式ページは外部の品目検索へ誘導 | 公式ページ上では確認できず |
| 川崎市 | 最長辺で300円〜1,200円 | 品目名の例示になし |
| 新潟市 | 品目別に100円〜500円 | 品目一覧になし |
| 静岡市 | 公式ページに手数料の記載なし | 記載なし |
| 京都市 | 400円券制。400円〜2,400円 | 品目一覧は別サイト |
| 神戸市 | 大型ごみ処理手数料(例)を掲載 | 例示のなかになし |
| 広島市 | 品目別一覧を掲載 | 一覧になし |
| 福岡市 | 処理券300円・500円・1,000円 | 受付品目一覧になし |
| 岡山市 | 公式ページは外部の品目検索へ誘導 | 公式ページ上では確認できず |
| 練馬区 | A券200円・B券300円の組み合わせ | 料金検索は外部サイト |
載っていないのは「出せない」という意味ではない
品目一覧にないからといって、仏壇を粗大ごみに出せないわけではありません。多くの自治体は、一覧にない品物について個別に案内する仕組みを用意しています。
川崎市のページには「例示の品目でも大きさ・材質によって処理手数料は異なります」という注記があり、申し込み時に受付センターへ確認するよう案内されています。札幌市も、一覧に品目がないものは大きさ等を基準に料金を案内すると書いていました。
仏壇は木製・金属装飾・引き出しの有無など作りの幅が広く、一つの金額に丸めにくいのだろうと思います。ここは私の推測ですが、料金表に載せにくい品物であることは確かでしょう。
「相場」を鵜呑みにできない理由
調査を終えて、費用を一つの数字で語るのは難しいと感じました。理由は3つあります。
1. 金額の幅が大きい
公表されている範囲だけでも400円から3,200円です。8倍の開きがあるものを平均しても、自分の場合の役には立ちません。
2. 測る場所が自治体ごとに違う
渋谷区は幅と高さの合計、千葉市は高さと幅をそれぞれ、堺市と相模原市は最大辺で判定します。同じ仏壇を測っても、どの数字を使うかで区分が変わってしまいます。
3. 仏具が別勘定になることがある
千葉市の一覧は品目名が「仏壇(仏具は除く)」と書かれていました。本体の手数料に仏具は含まれないという意味です。相模原市では神棚が50cm未満なら一般ごみとして扱われるとありました。付属品の扱いも自治体ごとに違います。
自分の自治体の金額を調べる手順
結局のところ、自分の市区町村を直接確かめるのが最短です。次の順で進めると迷いません。
- 検索窓に「(市区町村名) 粗大ごみ 手数料 一覧」と入れ、末尾が lg.jp や go.jp の公式サイトを開きます
- 品目一覧のなかを「ぶつだん」「仏壇」で探します。五十音順の一覧なら「ふ」の行です
- 見つからないときは粗大ごみ受付センターへ電話しましょう。品目にないものを電話で案内している自治体がほとんどです
- 電話口では、幅・高さ・奥行き・材質・分解の可否を聞かれました。この5つを手元に用意しておくと通話が短く済みます
サイズは扉を閉じた状態で測る
仏壇は扉を開くと幅が倍近くになります。料金の判定に使うのは、扉を閉じて置いた状態の外寸です。台座や高欄が張り出している場合は、いちばん出っ張ったところまでを含めて測ってください。
迷ったら少し大きめに申告しておくと、当日に区分が変わって追加料金が発生する事態を避けられます。
粗大ごみに出す前に確かめたいこと
金額の見当がついたら、出す前に整理しておきたい点がいくつかあります。
魂抜き(閉眼供養)
粗大ごみとして出す前に閉眼供養を済ませる方が多数派です。自治体の制度としては供養の有無を問わないことがほとんどですが、家族や親族の気持ちの整理という意味では先に済ませたほうが後々もめません。
中身は本体と分けて考える
位牌・過去帳・遺影・掛け軸は、仏壇本体とは別に扱うのが一般的です。位牌だけを永代供養に出す、過去帳は手元に残すなど、選び方は家によって変わります。
搬出できるかどうか
集合住宅では、玄関や階段を通せるかどうかが最初の関門です。分解が必要になると、それ自体に手間と道具が要ります。粗大ごみは原則として自分で指定場所まで運ぶ制度なので、ここは事前に見ておいてください。
粗大ごみと業者依頼、どちらを選ぶか
| 粗大ごみ | 回収業者に依頼 | |
|---|---|---|
| 費用 | 数百円〜3,000円程度 | 1万円〜3万円程度が目安 |
| 搬出 | 自分で運ぶ | 部屋から運び出してもらえる |
| 供養 | 自分で手配 | 供養込みのプランがある業者も |
| 日程 | 申し込みから1〜2週間待つことも | 最短で即日から |
| 仏具の同時処分 | 別扱いになることがある | まとめて引き取れる |
費用だけを見れば粗大ごみが安く済みます。判断が分かれるのは搬出です。大きな仏壇を2階から下ろす作業を家族だけでやるのは、体力の面でも建物を傷つけない面でも負担が小さくありません。
費用がどのくらいになるか見当をつけたい方は、仏壇じまい費用シミュレーターで条件を入れてみてください。業者に頼む場合の概算が出ます。
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魂抜きを済ませたあとの仏壇は、不用品回収や遺品整理の業者に引き取ってもらえます。金額だけ確かめたい段階でも見積もりは取れます。
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よくある質問
Q. 仏壇を粗大ごみに出すのは失礼にあたりませんか
閉眼供養を済ませたあとの仏壇は、宗教的な意味では「ただの木の箱」に戻ったと考えられています。処分の方法として粗大ごみを選ぶこと自体を問題視する宗派は多くありません。気になる場合は菩提寺に一度相談してみてください。
Q. 品目一覧に仏壇が無い自治体では、いくらになりますか
受付センターがサイズと材質から判断して金額を案内します。その自治体の粗大ごみ料金の上限に近い額になることが多いようです。川崎市のように最長辺で区分している自治体なら、1,200円が上限の目安になります。
Q. 仏具や位牌も一緒に出せますか
自治体ごとに違いました。千葉市のように「仏具は除く」と明記しているところもあれば、小さな仏具は燃えるごみとして扱えるところもあります。位牌については、ごみとして出すことに抵抗を感じる方が多く、永代供養やお焚き上げを選ぶ例が目立ちます。
Q. 手数料はいつ払いますか
多くの自治体は、コンビニなどで粗大ごみ処理券(シール)を買い、品物に貼って出す方式です。京都市のように400円券だけを使って必要枚数を貼る自治体、渋谷区のようにA券とB券を組み合わせる自治体があります。近年はインターネット申し込み時のキャッシュレス決済に対応するところも増えました。
まとめ
今回の調査で見えたのは、「仏壇の粗大ごみ代の相場」という言い方そのものが実態に合っていないということでした。
金額を公表している自治体は少数派で、公表している自治体のあいだでも8倍の開きがあります。しかもサイズの測り方が違うため、他の市の金額を自分の市に当てはめることもできません。
遠回りに見えても、お住まいの自治体のページを開くか、受付センターに電話するのがいちばん早い方法です。幅・高さ・奥行き・材質・分解の可否を手元に用意してから電話すれば、通話は数分で終わります。
仏壇じまい全体の流れや費用については、仏壇じまいの記事一覧にまとめました。何から手をつけるか迷っている方は家じまいまるごと診断から始めると、必要な手続きが整理できます。
※ 本記事の金額は2026年7月25日時点で各自治体の公式サイトに掲載されていた内容です。手数料は改定されることがあります。申し込み前に出典のページで最新の情報をご確認ください。
仏壇じまいの流れ全体をまだ把握していない方は、仏壇じまい完全ガイドに費用・手順・供養・処分方法をひととおりまとめてあります。


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