「先に遺品整理をしてしまっていいの?」
「相続放棄を考えているのに、荷物を動かしたらまずい?」
親が亡くなってから数日のうちに、こういった判断を迫られる場面がやってきます。
慌ただしいなかで間違えると、後から取り返しがつかないことも。
この記事では、遺品整理と相続手続きの順番と、スケジュールの考え方を整理します。
相続放棄を検討しているなら、遺品整理は待つべき
まず大前提として、「相続放棄を考えている場合」は、遺品整理を軽率に進めてはいけません。
相続放棄の期限は3ヶ月
相続放棄ができる期間は、「相続の開始を知った日から3ヶ月以内」です。
この期間を「熟慮期間」と呼びます。
遺品を処分すると「相続承認」とみなされることがある
遺品(相続財産)を売ったり、勝手に捨てたりすることは、「相続を承認した」とみなされる可能性があります。
これを「法定単純承認(ほうていたんじゅんしょうにん)」といいます。
相続放棄を検討しているなら、財産を動かさず、家庭裁判所に相続放棄の申述をするまで待ちましょう。
例外:日常生活上のごみは処分してよい
ただし、腐敗する食品の廃棄・衛生上の問題がある物の処分など、「保存行為」の範囲内であれば問題ありません。
「財産価値のある物」を売ったり処分したりしないことが重要です。
相続放棄をしない場合のスケジュール
相続を承認して進める場合は、以下のようなスケジュールが一般的です。
| 時期 | やること |
|——|———|
| 死亡直後 | 死亡診断書の取得・役所への届け出 |
| 7日以内 | 死亡届(火葬許可証の取得) |
| 14日以内 | 年金・健康保険の資格喪失手続き |
| 1ヶ月以内 | 遺言書の有無を確認、相続人の確認 |
| 3ヶ月以内 | 相続放棄・限定承認の判断 |
| 4ヶ月以内 | 故人の所得税の準確定申告 |
| 10ヶ月以内 | 相続税の申告・納付(必要な場合) |
遺品整理そのものに法的な期限はありませんが、賃貸物件の場合は退去期限が別に設けられます。
賃貸の場合は退去期限に注意
故人が賃貸に住んでいた場合、部屋の明け渡し(退去)のタイムリミットがあります。
契約によって異なりますが、多くの場合「死亡から1〜2ヶ月以内」の退去を求められます。
特に保証人になっている親族は、家賃を払い続ける義務が生じるため、早めに対応が必要です。
遺品整理業者の活用を考えるタイミング
退去期限が迫っている場合は、業者への依頼を早めに検討してください。
大量の荷物がある場合、2〜3人で数日かかる作業を、業者なら1日で終わらせることができます。
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持ち家の場合は比較的余裕がある
持ち家(故人名義の不動産)の場合、急ぎの退去はありません。
ただし、空き家管理や固定資産税の問題があるため、長期間放置することにも注意が必要です。
「先に処分してしまった」場合の相談先
相続放棄を検討していたのに、うっかり財産を処分してしまった場合は、弁護士への相談が必要です。
状況によっては、法定単純承認が認められない場合もあるため、早めに専門家に確認してください。
まとめ
遺品整理と相続手続きの順番は、「相続放棄を検討しているかどうか」で大きく変わります。
相続放棄を考えているなら、財産を動かす前に家庭裁判所への申述を。
相続を承認するなら、賃貸の退去期限を確認しながら計画を立てましょう。
一人で判断しにくい場合は、弁護士・司法書士・税理士への相談を早めに行うのが安心です。


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